熱傷の保存的治療について(~SDB)【勉強】
✅関連投稿
初期対応や、保存加療できない外科的治療については以下投稿を参考に。
✅熱傷治療についての一般論
臨床的にはSDBなのか!DDBなのか!これが大事!
なぜならここで予後がめちゃくちゃ異なるから!
SB~SDBまでは軟膏塗布などによる保存的加療!自宅から通院だけで比較的綺麗になる!
DDB~DBは基本的に皮膚の再生が見込めないので植皮等の外科療法!つまり入院!手術!
でもSDBとDDBを受傷直後に見分けるのはとっても難しい!しかも熱傷の深さは変化しうる!ので受傷後のクーリング+SDB以下の軽傷症例であっても数日は経過を見るのがよい。
…を踏まえて保存的加療について勉強するぅ
✅保存的加療-外用療法-
・外用療法の基本
保存的加療で使う薬剤の種類としては
・bFGF製剤(フィブラスト)
→創傷治癒促進のみならず瘢痕の質の改善をもたらすとされているためである。
受傷後可能な限り早期に使用を開始することで、瘢痕予防のみでなく、上皮化までの時間も短縮することが可能。
・ステロイド軟膏
・ステロイド軟膏
・抗菌作用を持つもの
・SD(Ⅰ度熱傷)の外用療法
発赤や熱感のみで皮膚の損傷がないSDでは、感染や浸出液対策の必要性は薄い。SDに対して必要な外用療法は皮膚表面の保護であり、発赤の原因である炎症の抑制。プロペト(白色ワセリン)などで創部保護出来るし、炎症抑制にはステロイド外用薬が有用になる。皮膚科学会の熱傷診療ガイドラインでも、SD~SDBに対し『受傷初期において抗炎症作用を期待したステロイド外用薬の使用を選択肢の 1 つとして推奨する』としている。
ただし前述の通りSD→SDB以降へと進行する可能性があるため1週間程度での創部フォローが必要。
→
・SDB~DDB(Ⅱ度熱傷)の外用療法
SDBまでであれば保存的加療でほとんど瘢痕を残さず加療が可能。皮膚付属器は多くが温存されているため、外用療法により破壊が進行しないようにすることが重要になってくる。つまりプロペト(白色ワセリン)なども有用であるし、感染が起こっていればゲーベンやユーパスタ、カデックスもアリ。
フィブラストスプレーによる加療も考慮される(2度熱傷に対して推奨A)。
DDBでは熱傷が真皮深層まで達したことにより、創縁周囲からの上皮化しか望めない状況であるため、外用療法のみでの治療完遂は難しい。保存的加療では瘢痕を残して治癒する。
原則として植皮が必要である。つまり植皮までの間、熱傷により形成された潰瘍に対して抗菌作用や壊死組織の除去作用を持った軟膏は選択肢になってくる。
深達性Ⅱ度熱傷の結果生じた壊死組織を伴う慢性期の潰瘍に対して,壊死組織除去を目的としたブロメライン軟膏,カデキソマー・ヨウ素,デキストラノマー,スルファジアジン銀の外用を選択肢の 1 つとして推奨する(C1)
とされている(皮膚科学会 熱傷診療ガイドライン)ように、Ⅱ度熱傷に対する外用療法で抗菌作用を持つ外用薬を塗布するのは慢性期の潰瘍形成に対してであり、基本的にはⅢ度熱傷以降で適応になる。
Ⅱ度熱傷に対してはbFGF製剤(フィブラスト)をベースにして、
・DBの外用療法
✅保存的加療-固定-
・固定①-intrinsic plus position-
保存的加療で手掌を固定する場合はintrinsic plus position
①手関節10~20°背屈
②示指~小指MP関節は60~90°屈曲
③示指~小指IP関節は伸展
④母指は外転対立位
をとることで、手内筋の拘縮を予防。MP関節側副靱帯の伸展でMP関節の伸展拘縮を予防、IP関節の掌側板、側副靱帯を伸展することやIP関節の屈拘縮曲を予防する。intrinsic plus positionは手指の拘縮を最小限にすることを目標にしており、シーネなどで固定してこの体制をとる。
・固定②-fanctional position-
一方で拘縮を起こすことを前提にした機能肢位(fanctional position)という肢位もある。
①手関節10~20°背屈
②MP、IP関節は共に軽度屈曲位
③母指は外転対立位
で固定を行う方法で、MP,IP関節の扱いがintrinsic plus positionと異なる。これによりfanctional potisionで拘縮が生じた場合でも日常生活での影響を抑えられる。固定方法はシーネなどを用いず、指間や手掌にガーゼを置き、軽くボールを握るような形での固定を行う。
どちらも指間にしっかりガーゼを挟むのが大事!
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