【勉強】熱傷の初期対応について【皮膚/形成外科】
✅絶対に熱傷とりたくないでござる!絶対に診たくないでござる!
✅熱傷の初期治療の目的
熱傷の深度は受傷後数日単位で変化するため、受傷直後より治療方針を決定することはできないことを念頭にちゃんとフォローする!
✅熱傷の初期対応『前』について
①冷却、②衣類を脱ぐ/脱ぎやすいものに変える、③指輪、ブレスレットなどを外す
これを指示するのがよろしいかと思われます。
で、冷却と受診どちらを優先すべきかと言われるとそれは場合によると思われるんだが…局所なら冷却優先するイメージがある。
ただし氷やアイスノンを使っての冷却はアウト。虚血を引き起こして治癒遷延の原因になる。
✅熱傷に対する初期(外用)療法
・時系列の確認
→いつ受傷して、どのくらい冷やされた(放置された)のかを確認します。・衣服の脱衣
・異物の除去
→ブレスレット、指輪、ピアスなどを外す。熱傷後の浮腫性変化により受傷から時間が経てば経つほど外すのが困難になるので早めに外す。また、すすや灰、その他砂などの異物が混入している場合はおおまかに取り除く、細かいのは洗浄のときでおっけー。
・冷却
→常温の水、流水で冷却する。熱傷層が浸軟しないよう5分程度~。ぬらしたガーゼやタオルによる冷却は30分を超えないようにする。(この辺の時間は読んだ本によって違ったのでまたちゃんと調べます。基本は濡れタオルにしようかなと思っているところ)
氷や氷水に準ずるものによる冷却は疼痛の増強と熱傷深度を深くする作用があるので行わない。
参考:冷却に用いる水やガーゼの温度は12℃が効果的との報告あり
・洗浄とデブリードマン
→中性石けんおよび水、消毒液を用いて洗浄します。要は普通の外傷と変わらず。熱傷受傷直後のデブリードマンはブラシ、ガーゼでこすって壊死組織を除去するにとどめる。実際に壊死している範囲がわかりにくく、かつ拡大する可能性も十分あるので。
破れている水疱はデブリードマンするが、破れていない水疱の取り扱いは結論が出ていない(後述)
デブリードマン後熱傷創面を再評価する。
・被服
→まずは乾いたシーツで被覆し、毛布で保温。湿ったガーゼやタオルでの被服は行わない。処置が終了し、全身状態が安定しており帰宅するような場合は(必要であれば抗菌薬を塗布した後)乾ガーゼを用いて被覆する。創傷被覆材はSDBであれば使用して良いが…
・疼痛コントロール
→アセトアミノフェンやロキソニンなどで問題なし・抗菌薬投与/破傷風対策
→DDB~の熱傷に対しては抗菌薬含有軟膏などによる治療を行う…が、前述の通り受傷直後の深度の確定診断は困難なので2度熱傷以上であれば塗布を開始してその後中止するようなやり方もある。DBになってしまうと焼痂が分厚くデブリードマン後でなければ抗菌薬含有軟膏による効果が薄いともされる。破傷風対策も同様のレベルより必要であり、免疫獲得の有無を確認して投与を検討する。
※感染対策としての水疱の取り扱い
破れていない水疱の扱いは諸説ある、マニュアルでは2cm以上の水疱で24時間以上転院までにかかるようであれば破るべしとされているが、意見が割れているところなのでどちらでも…
・ステロイド
Ⅰ度熱傷の治療としてステロイドが用いられることがあるが、受傷直後のステロイド軟膏使用は感染のリスクをたかめるため熱傷深度が確定してから行うのが無難。最低でもフォロー行って進行していないことを確かめる必要はある。明らかなⅠ度熱傷の自信があれば別…?
✅まとめ
こんな感じでしょうか。とりあえずここまでやっといてフォロー外来入れれば良い感じでしょうかね。
もう少し踏み込んだ内容については
【勉強】熱傷の保存的治療について(~SDB)【皮膚/形成外科】
【勉強】熱傷の外科治療について(DDB~DB)【皮膚/形成外科】
でやります。ちゃんとやりますとも。
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