外用薬の使い方キホンのキ【勉強】

2019/04/06

 


 

✅外用薬の基本のキ

外用薬の基本的な考え方は薬物を経費的に吸収させて各種効果を生み出し、最終的に創傷治癒を促進することになります。
各種効果には抗菌作用、保湿作用、免疫抑制、肉芽増生など各種にわたります。
外用薬と言われるものには
・軟膏
・クリーム
・ローション
・ゲル
・スプレー
…等など使用される基剤によりその形態は様々で、用途により使い分けます。

✅外用薬の薬剤成分と基剤成分

外用薬には主目的の効果(ex.抗菌作用)を持つ主材と、それを溶かしている基剤成分に大別されており、実際にはさらに防腐効果や乳化効果を持つ添加剤が足されています。
抗菌薬の経口摂取時の初回通過効果などと同様、外用薬で重要なのはその経皮的な吸収率!

経皮吸収を左右する因子としては
①薬剤の種類
②基剤の種類
③皮膚の状態
等が挙げられます。これらを上手に調整することで、皮膚のみならず深部まで薬剤の効果を発揮させることができます。

①薬剤の種類

薬剤(主剤)の種類によって吸収効率が異なるのは経口/経静脈投与と同じ。
理想として経皮吸収率が高く、局所で代謝されて全身で不要な副作用を引き起こさないもの。

②基剤の種類

基剤により経皮吸収の促進がなされるのはもちろん、基剤には他にも主剤を安定化させる、局所の保護を行う、使用時の違和感を軽減するなどの効果もあり
一般的に基剤と呼ばれる『軟膏』『クリーム』『ローション』『スプレー』などは、それを実際に構成する原料である『ワセリン』『ミツロウ』『アルコール』『水』などでできているので、両者は混同しないように気をつけること。

③皮膚の状態

健常皮膚では表皮がバリアの役割を果たすため吸収効率は落ちます。
健常皮膚で吸収される主な経路は毛孔や汗孔であり、皮膚からの吸収はわずか。従って同じ同じ人の健常皮膚でも頸部、腋窩、外陰部などは薬剤吸収効率に優れます。
潰瘍形成などが生じた場合は皮膚のバリア機能が失われるため吸収効率は飛躍的に上昇します。その他老化やその逆の幼児では表皮層が薄いために正常皮膚でも成人と比較して吸収効率が高いとされています。

✅基剤ごとの特徴

基剤ごとの特徴をざっくり言うなら
・軟膏→乾燥した病巣に向く
・クリーム→比較的湿潤した病巣に向く
・ローション→湿潤した病巣に向く
・スプレー→被髪部に向く
・テープ→慢性病巣に向く
こんな感じ。実際は基剤だけでなく、手技や適応疾患との組み合わせになるので多分後で別に投稿する…と思う。

✅古典的外用薬と基剤

ステロイド外用薬出現以前に反応されていた外用薬を『古典的外用薬』と呼ぶ。古典的外用薬の多くは現在基剤となっている。現在でも古典的外用薬単体≓基剤単体での塗布を行うこともある。
例:軟膏→亜鉛華軟膏、パスタ→ウィルソン泥膏

✅外用薬の塗布手技について

同じ外用薬でも
単純塗布、重層療法、密閉療法など(特にステロイド軟膏を使用する際は)様々な使い方があります。

①単純塗布

多くの(ステロイド)外用薬で使用される方法。軟膏あるいはクリームを指腹に少量取って病変部に薄く伸ばす。
軟膏にせよクリームにせよ、不要な圧力で押し込むような塗り方(いわゆる塗り込む)のはしない。皮溝にしっかり外用薬が入り込めば問題はなく、不要な外力がかからないようにするのがセオリー。

②重層療法

単純塗布した上から外用薬を薄くのばしたガーゼをあて、治療効果を高めるやり方。
炎症性疾患に対してステロイドを下塗りして外用薬を上塗りする。壊死組織を伴う潰瘍に対して酵素製剤と疎水軟膏を用いるなど様々なやり方があるので詳しくは各論で勉強。

③密閉療法

単純塗布よりも厚め(0.5mm)にステロイド外用薬を塗布した後、フィルムで覆うやり方。
これにより経皮吸収率を高めて薬剤の効果を高めることができます。

参考:ステロイド軟膏以外も多くは単純塗布を行うが、伸ばす厚みは薬剤によって異なり、ステロイドならごく薄くする一方で、抗菌薬なら1mm程度と厚みをとって塗布する。

✅まとめ

うん。実際の使い方は各薬剤ごとに勉強した方がよさそう。
そのうち自分の病院でよく使ってる分だけでもしっかり勉強しようと思います。

というかもう勉強自体は終わってるんでそのうち書きます。

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