作業・保持姿勢と反復動作の評価-OWAS法・RULA・NIOSHの荷物取り扱い評価式-
✅作業関連筋骨格系疾患の発生因子
作業姿勢(不良姿勢)
→前屈、後屈、側屈、ひねり
保持姿勢
→時間的にどのくらい継続しているのか
反復動作
→どのくらいのペースでおこなっているのか
その他環境や振動、低温、休憩頻度が発生に関与すると言われている
作業環境から発生因子を正しく評価して改善に活かそう!
✅不良姿勢とは
筋骨格(主に関節)に許容できない異常な負荷をかける姿勢
あるいは各部位の許容範囲を狭めるような姿勢
→前屈、後屈、側屈、ひねり…
✅評価方法について
・バイオメカニカルモデル解析
身体のモーメントなどから腰椎にかかる圧迫力を評価
45度以上にしない!45度以上曲げたところから作業姿勢を15度改善するだけで
椎間板にかかる負担は重量換算では何十%も減らしたことに相当する!
・タイムスタディ
→Ovako四季作業姿勢分析システム(OWAS)
作業評価システム
→迅速上司負担放火システム(RULA)
などなど。今回はタイムスタディについてお勉強。
✅OWAS法-実践と評価-
①どんな姿勢が
②どのくらい出現して
③どの程度重大か
を一定時間ワークサンプリングを行う(一定時間おきにその姿勢を読み取り記録する)
測定間隔は30秒~60秒に1回。総観察時間は40~60分。10分以上の休憩が望ましい。
実際には一定間隔で写真を撮るか、動画を撮って切り出す。
→後述する弱点につながる
-基本姿勢分類-
写真1枚1枚について
腰背部、上肢、下肢、重さの4点についてそれぞれについて評価する
評価項目
腰背部
①直立
②前傾/前屈(20度以上~を目安に)
③直立+ひねり
④前傾/前屈+ひねり
上肢
①両肢ともに肩位より下
②片肢のみ肩位より上
③両肢ともに肩位より上
下肢
①座っている
②体重が両肢にかかり、かつ膝が伸びている
③体重が片肢にかかるが、その膝が伸びている
④体重が両肢にかかるが、膝は曲がっている
⑤体重が片肢にかかり、しかもその膝が曲がっている
⑥体重が片肢にかかり、しかもその膝が地面についている
⑦移動
重さ
①W≦10kg
②10kg<W≦20kg
③20kg<W
それぞれについて評価したら次へ
※こまかな判定については
-Action Category-
評価した点数を
この表にあてはめてアクションカテゴリを算出する
AC1~4はそれぞれ
AC1:この姿勢による筋骨格系負担は問題ない
→改善は不要
AC2:この姿勢は筋骨格系に有害である
→近いうちに改善すべき
→近いうちに改善すべき
AC3:この姿勢は筋骨格系に有害である
→できるだけ早期に改善すべき
AC4:この姿勢は筋骨格系に非常に有害である
→ただちに改善すべきである
を意味する。
最終的には各時間において
・時刻
・姿勢コード
・作業コード(事業所の作業内容に応じて設定)
・AC
を書き出し
AC3およびAC4をリストアップして改善へとつなげたり
作
業コード別にACの割合(%)を調べたり
→ものを持ち上げる動作の場合にAC3~4の%が高い
姿勢コード別にACの割合(%)を調べたりすることで改善に繋げる。
→片膝を曲げて作業している姿勢でAC3~4が高い! 作業の高さを改善しよう!
する
-個別要因の原因と対策-
前屈…作業場所が低い。または作業場所が離れている
屈曲…作業場所が低い
ひねり…作業場所が体感の左右に分かれている
AC3~4になりやすいのは
前屈姿勢、ひねり姿勢、膝の屈曲、取り扱い重量20kg以上
または複数要因の組み合わせ。
なのでこれらの改善でACを大きく改善できる…かもしれない。
拡張版OWAS法では
首
①普通
②前屈
③両側どちらかへのく局
④後屈
⑤ひねり
を加えて評価する
✅OWAS法の欠点
分類が大雑把(上肢に関しては高さの評価のみ)のため
小さい動きの作業を正しく判定することができない。
→上肢に関してはRULA法が優位。
保持姿勢の評価ができない。
座位、立位で姿勢変換がない場合はACが低く出がちになる
腰部への負担の評価は限定的
→荷物取り扱い評価式
全体としての評価ができない
→AC3~4の割合目標などはない
参考
・迅速上肢負荷評価システム(RULA)
手の位置、ひじの屈曲、ひねりなどを評価することでより上肢についてより詳細に評価する
・NIOSHの荷物取り扱い評価式
1分あたり持ち上げ回数
作業時間
体のひねり
身体から荷物までの距離(移動前 移動後)
荷物の高さ
などから
RWL:推奨重量限界
23kgを基準に下記係数をかけていく(各係数は0~1)ことで改悪要素ごとに減っていく計算
(水平係数、垂直係数、距離係数、非対称係数、頻度係数、結合係数)
LI:Lifting Index
を算出できる
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