産業保健と経済

2022/02/27

 



✅産業保健活動と経済


企業において産業保健活動を行うことによる費用対効果

評価方法と説得のために

-例題-


作業員100人の職場
現在50人がイヤーマフをつけて作業中
残りの50人に対して産業保健教育を行った場合40人がイヤーマフをつけると仮定(教育自体は00人全員に行う)
イヤーマフをつけない場合、平均半年で騒音性難聴に陥る。


雇用コスト

5000円/時間/人、年間労働日数270日、1日8時間労働とする。
→10,800,000円/年/人(5,400,000円/半年/人)

教育コスト

講演料、労働時間損失、場所代、光熱費、資料や筆記用具など、イヤーマフの購入費用、啓蒙掲示物の印刷費、残業代(時間外の場合)
→ざっくり100万円くらいを想定

効果

イヤーマフを着用することができた
→40人。

効用

難聴を予防することができた
→40人。

これを例に以後のお話を進めていく。

失敗原価

難聴が生じた場合に生じるコスト
→生産性の低下、労災費用、訴訟リスク、イメージダウン、離職率↑



✅費用対効果の考え方


経済的評価を行うには費用と結果を両方評価すること

例:既存薬Aと新薬Bについて


薬剤A:100人,1年分の費用は1億円。1年後の生存率は60%

1億円で60/100
→1人生存させるために167万円/Life Saved

薬剤B:100人,1年分の費用は1.5億円。1年後の生存率は80%

1億5000万円で80/100
→1人生存させるために167万円/Life Saved

これがCER 費用効果比
純粋にコストパフォーマンスの逆。


ICER:増分費用効果比


CostB - CostA / EffectivenessB - EffectivenessA

上記の例だと
1.5億円 - 1億円 / 80人 - 60人=250万円/人

効果がSurviveなら500万くらいで効果的とみなされることが多いらしい


例題だと
1,000,000円で40人。25,000円/効果人数

ICER
 

✅QALY:健康関連QOLを数値化する


・Quality- Adiusted Life Year(QALY)


健常時QOLが1として
1年間のQOLを1×1で1QALYとする。

先行研究からQOLYは
うつ状態だとQOLY 0.45 などある程度求められる。

これで傷病期間と人数を加味して

-例題-

先行研究より、難聴のQALYは0.7

教育なし

最初から耳栓有50人
→1QALY 50人

耳栓なし50人
→1QALY×0.5 + 0.7QALY×0.5→0.85QALY 50人

合計0.925QALY/人

教育あり

最初から耳栓有50人+改善40人
→1QALY 90人

耳栓なし10人
→1QALY×0.5 + 0.7QALY×0.5→0.85QALY 10人

合計0.985QALY/人

ICER:増分費用効果費を計算すると


CostB - CostA / EffectivenessB - EffectivenessA

上記の例だと
100万円 - 0円 / 0.985 QALY/人 - 0.925 QALY/人=1666万円/QALY/人


✅労働災害コストの評価


健康部分はQALYを用いることができるが、現実には『失敗原価を減少させる』効果もある。

例題であれば、難聴が生じた場合に生じるコスト
→生産性の低下、労災費用、訴訟リスク、イメージダウン、離職率↑

その他、リコールや再雇用費、現場調査、対策会議、教育、労基署対応などなど…

こういったものは数値化が難しいものの、不可能ではない。
過去の労働災害事例などを引用することで説得材料に使える?


✅予算管理


会社の年間予算はある程度決まっている。
教育や講義の費用の他、健康診断なども含めて1人あたり10万~20万円/年かかっていれば普通

予算と相談しながら、産業保健にかけるコスト増と上記コスト減でちょうどバランスがとれる(コストが最低になる)点を探っていく。

数値化できないメリットとして帰属意識の向上や器用イメージの向上、私生活の充実と満足度の向上なども挙げられる。

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