MFBI(Multi Frequency Band Indicator)-au端末でdocomoのBand19を掴む-
✅少し詳しいbandの話をしよう
で書いた各キャリアのbandは一見被りないように見えますが
実際のband1,3,8,11,18,19,21,26,28,41,42に
それぞれ周波数いくつが割り当てられているのかといえば…
Band1→2.0GHzBand3→1.7GHzBand8→900MHzBand11→1.5GHzBand18→800MHzBand19→800MHzBand21→1.5GHzBand26→800MHzBand28→700MHzBand41→2.5GHzBand42→3.5GHz
こうなっています。
一覧を見ると、同じ周波数のbandは必ずセットで受信できるのでは?
って思いますよね。
Band1→2.0GHzBand3→1.7GHzBand8→900MHzBand11→1.5GHzBand18→800MHzBand19→800MHzBand21→1.5GHzBand26→800MHzBand28→700MHzBand41→2.5GHzBand42→3.5GHz
具体的には1.5GHzのBand11と21、そして800MHzのBand18/19/26。
✅更に詳しいbandの話をしよう
band18と19どちらかにしか対応しない端末なんてザラ
なのでもう少し詳しく周波数を見てみます。
Band1→2.0GHz:1920MHz~1980MHz/2110MHz~2170MHzBand3→1.7GHz:1710MHz~1785MHz/1805MHz~1880MHzBand8→900MHz:880MHz~915MHz/925MHz~960MHzBand11→1.5GHz:1427.9MHz~1447.9MHz/1475.9MHz~1495.9MHzBand18→800MHz:815MHz~830MHz/860MHz~875MHzBand19→800MHz:830MHz~845MHz/875MHz~890MHzBand21→1.5GHz:1447.9MHz~1462.9MHz/1495.9MHz~1510.9MHzBand26→800MHz:814MHz~849MHz/859MHz~894MHzBand28→700MHz:703MHz~748MHz/758MHz~803MHzBand41→2.5GHz:2496MHz~2690MHz、2496MHz~2690MHzBand42→3.5GHz:3400MHz~3600MHz、3400MHz~3600MHz
ビミョー…に違うんですよね。
青色、1.5Ghz帯のBand11と21は同じ1.5Ghz帯ではありますが、Band21がやや高周波数側にずれています。周波数は被っていません。
一方でBand26は2つの周波数を完全に内包します。
そして、各種サイトでよく書かれるのが
『Band26はBand18を内包するのでBand26に対応していればBand18を掴むことができる』というもの。
これは特に国内におけるau(およびauをローミングする楽天モバイル)で書かれることが多い文で、実際国内で扱う分にはこの理解で困ることはありません。
しかし、Band26は上記仕様で触れたようにBand19をも完全に内包しているんですよね。
しかも
『Band26はBand19を内包するのでau端末はdocomoのプラチナバンドを掴むことができる』ってのが去年くらいに話題になってました。
✅異なるbandで同一周波数の電波を受信する仕様『MFBI』
band26対応端末でband18を受信する仕組みとして
MFBI(Multi Frequency Band Indicator)という仕様があります。
これは2010年代後半から出てきた(band26が登場した頃)技術で、周波数の定義が重複するbandにおいて相互運用するためのもんです。
基本的にキャリアの基地局は通信の可否を判断するにあたり1対1での認識しかできなかった
例:Band18に対応している or していない → Band26の対応の可否は考慮されない
のですが
のですが
MFBIでは上記のband18とband26のように周波数に被りがある場合に複数のbandを検証、接続するための仕組みです。auはコレを採用してband18/26を接続していたんですね。
逆をいえばこれまではdocomo基地局はMFBIに対応していなかった(docomoの保有band内に該当する周波数がないので当然)ためband26に対応したau端末でband19通信ができなかったのですが
2020年頃からdocomoの基地局がMFBI対応したことによってband26対応のau端末でband19をつかめるようになったようです。
✅実機検証
・検証環境
対応bandはauのものに準じます。
これと
基本的にはGalaxy標準機能であるところの『ServiceMode』で接続しているbandを確認してやることになります…が
・全然ない!band19!
検証のためにはdocomo版S21 Ultraでband19が確認できるエリアが必要なんですけど…
自宅周囲はband1,3,21が強すぎて全然Band19が確認できませんでした
山奥の実家に帰ればband19しかないのにここまで高速通信のband帯のみで占められているとは…都会恐ろしい…
バイト先で検証してきました。
・と、言うことで
バイト先で検証してきました。
※バイト先がバレるのでTACは伏せてあります。ご了承ください。
まずはdocomo版 S21 Ultraの通信状況
band1も3も飛んでいないここはまごうことなき僻地。
そしてここでSIMを差し替えてGalaxy note9の通信状況を確認すると…
PCIもS21で接続したのと同じ値を示しているので、これはほぼ間違いなく同一の基地局から発せられた電波でしょう。
わかりやすく某楽天回線御用達アプリでこの状況を表示すると。
docomoがband26出しているように見えます。
実際はdocomoが出してるband19をau端末のband26対応を持って受信しているんですけどね。
✅まとめ
au端末でつかめるdocomoのbandが増えたのはとても喜ばしい。
band19はプラチナバンドですからね。特に山間部や田舎で使用するときにハードルになっていた
『プラチナバンド非対応なので他キャリアの端末が使いづらい』といった問題
これがau端末×docomo回線ではやや改善されたわけですからね。自分の両親の端末を更新するときは割高なdocomoキャリア端末よりもau中古端末を使うかもしれません。
一方で逆は(docomo端末をau対応させる)
みたいなことをしてやらなければいけないので危険です。あまりおすすめはしません。
それでは。
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