MFBI(Multi Frequency Band Indicator)-au端末でdocomoのBand19を掴む-

2022/06/16




✅少し詳しいbandの話をしよう




で書いた各キャリアのbandは一見被りないように見えますが

実際のband1,3,8,11,18,19,21,26,28,41,42に
それぞれ周波数いくつが割り当てられているのかといえば…

Band1→2.0GHz
Band3→1.7GHz
Band8→900MHz
Band11→1.5GHz
Band18→800MHz
Band19→800MHz
Band21→1.5GHz
Band26→800MHz
Band28→700MHz
Band41→2.5GHz
Band42→3.5GHz

こうなっています。



一覧を見ると、同じ周波数のbandは必ずセットで受信できるのでは?
って思いますよね。

Band1→2.0GHz
Band3→1.7GHz
Band8→900MHz
Band11→1.5GHz
Band18→800MHz
Band19→800MHz
Band21→1.5GHz
Band26→800MHz
Band28→700MHz
Band41→2.5GHz
Band42→3.5GHz

具体的には1.5GHzのBand11と21、そして800MHzのBand18/19/26





✅更に詳しいbandの話をしよう


band18と19どちらかにしか対応しない端末なんてザラ

なのでもう少し詳しく周波数を見てみます。


Band1→2.0GHz:1920MHz~1980MHz/2110MHz~2170MHz
Band3→1.7GHz:1710MHz~1785MHz/1805MHz~1880MHz
Band8→900MHz:880MHz~915MHz/925MHz~960MHz
Band11→1.5GHz:1427.9MHz~1447.9MHz/1475.9MHz~1495.9MHz
Band18→800MHz:815MHz~830MHz/860MHz~875MHz
Band19→800MHz:830MHz~845MHz/875MHz~890MHz
Band21→1.5GHz:1447.9MHz~1462.9MHz/1495.9MHz~1510.9MHz
Band26→800MHz:814MHz~849MHz/859MHz~894MHz
Band28→700MHz:703MHz~748MHz/758MHz~803MHz
Band41→2.5GHz:2496MHz~2690MHz、2496MHz~2690MHz
Band42→3.5GHz:3400MHz~3600MHz、3400MHz~3600MHz


ビミョー…に違うんですよね。


青色、1.5Ghz帯のBand11と21は同じ1.5Ghz帯ではありますが、Band21がやや高周波数側にずれています。周波数は被っていません。



一方の赤色、800Mhz帯のBand18,19,26はBand18とBand19が11と21の時同様、Band21がやや高周波側にずれていて周波数が被っていません。
一方でBand26は2つの周波数を完全に内包します。

そして、各種サイトでよく書かれるのが

『Band26はBand18を内包するのでBand26に対応していればBand18を掴むことができる』というもの。

これは特に国内におけるau(およびauをローミングする楽天モバイル)で書かれることが多い文で、実際国内で扱う分にはこの理解で困ることはありません。

しかし、Band26は上記仕様で触れたようにBand19をも完全に内包しているんですよね。

しかも
『Band26はBand19を内包するのでau端末はdocomoのプラチナバンドを掴むことができる』ってのが去年くらいに話題になってました。



✅異なるbandで同一周波数の電波を受信する仕様『MFBI』


band26対応端末でband18を受信する仕組みとして
MFBI(Multi Frequency Band Indicator)という仕様があります。

これは2010年代後半から出てきた(band26が登場した頃)技術で、周波数の定義が重複するbandにおいて相互運用するためのもんです。


基本的にキャリアの基地局は通信の可否を判断するにあたり1対1での認識しかできなかった

例:Band18に対応している or していない → Band26の対応の可否は考慮されない

のですが

MFBIでは上記のband18とband26のように周波数に被りがある場合に複数のbandを検証、接続するための仕組みです。auはコレを採用してband18/26を接続していたんですね。

逆をいえばこれまではdocomo基地局はMFBIに対応していなかった(docomoの保有band内に該当する周波数がないので当然)ためband26に対応したau端末でband19通信ができなかったのですが

2020年頃からdocomoの基地局がMFBI対応したことによってband26対応のau端末でband19をつかめるようになったようです。


✅実機検証


・検証環境



準備したのはau版 Galaxy note9(SCV40)です。

対応bandはauのものに準じます。

これと



メイン端末であるところのdocomo版 Galaxy S21 Ultra(SC-52B)で比較検証をします。

基本的にはGalaxy標準機能であるところの『ServiceMode』で接続しているbandを確認してやることになります…が



・全然ない!band19!


検証のためにはdocomo版S21 Ultraでband19が確認できるエリアが必要なんですけど…
自宅周囲はband1,3,21が強すぎて全然Band19が確認できませんでした

山奥の実家に帰ればband19しかないのにここまで高速通信のband帯のみで占められているとは…都会恐ろしい…



・と、言うことで


バイト先で検証してきました。
※バイト先がバレるのでTACは伏せてあります。ご了承ください。

まずはdocomo版 S21 Ultraの通信状況


おお、素晴らしい。見事にBand19に接続しました。(440-10)はdocomoのことなので、ちゃんとdocomo回線です。
band1も3も飛んでいないここはまごうことなき僻地。


そしてここでSIMを差し替えてGalaxy note9の通信状況を確認すると…



完璧です。docomo回線(440-10)にも関わらずband26(band19)に接続できています。

PCIもS21で接続したのと同じ値を示しているので、これはほぼ間違いなく同一の基地局から発せられた電波でしょう。


わかりやすく某楽天回線御用達アプリでこの状況を表示すると。



このとおり。

docomoがband26出しているように見えます。
実際はdocomoが出してるband19をau端末のband26対応を持って受信しているんですけどね。


✅まとめ


au端末でつかめるdocomoのbandが増えたのはとても喜ばしい。
band19はプラチナバンドですからね。特に山間部や田舎で使用するときにハードルになっていた
『プラチナバンド非対応なので他キャリアの端末が使いづらい』といった問題

これがau端末×docomo回線ではやや改善されたわけですからね。自分の両親の端末を更新するときは割高なdocomoキャリア端末よりもau中古端末を使うかもしれません。


一方で逆は(docomo端末をau対応させる)


みたいなことをしてやらなければいけないので危険です。あまりおすすめはしません。


それでは。

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