Bluetooth接続時の音質決定因子について【sbc/aac/aptx/aptx-hd/ldac】

2022/06/19




✅Bluetooth接続再生のキホン


まず、DAPにおいて基本的な再生時の仕組みについて

 

【@有線接続】

音楽ファイル(.flac等)→PCM変換→D/A変換→アンプ→有線出力→音が鳴る
という仕組みになっています。
ざっくり言うと、DAP側でデジタルデータをアナログデータに変換、増幅まで行います。

これを有線で送ってヘッドフォンやイヤホンは音を鳴らすだけ。このような仕組みになってるんですね。


【@無線接続】
音楽ファイル(.flac等)→PCM変換→ 【sbc/aac/aptx/aptx-hd/ldacエンコード】

Bluetooth送受信

【sbc/aac/aptx/aptx-hd/ldacデコード】→D/A変換→アンプ→音が鳴る


参考:【第153回】“iPhoneのAACファイルをAACでBluetooth伝送すると音質劣化しない”は本当か?
https://www.phileweb.com/review/article/201604/15/2044.html

これもざっくり説明すると、DAP(スマホ側)でBluetoothで転送できる程度までデータを圧縮送信、ヘッドフォン側でこれを復元してアナログ変換、アンプで増幅して再生している訳です。

この二つを比較して一つ重要なこと。それは

『DAP(スマホ等)に搭載されたアンプは使用されていない』点です。

✅Bluetooth接続したときは再生機器側の重要性が低下する

上記の仕組みで音を鳴らす以上、Bluetoothヘッドホン側にはDAC・アンプの搭載が必須になります。

そしてBluetooth経由での再生を行う時は基本的にこのヘッドフォン側のものが使われるため、デジタルからアナログへの変換も、変換されたデータの増幅もヘッドフォンが行うことになり、DAP(スマホ)側の再生能力が発揮される面はBluetoothの転送コーデック対応くらいになるということです。※

※Bluetooth送信の前にPCM変換(これは音楽とスマホの通知音をミックスするために必要)を挟むため、再生機器側の影響『皆無』とまでは言えない


✅伝送方式による音質の違いについて

多分一番混乱しやすいのはここから。Bluetoothの伝送形式。
【sbc/aac/aptx/aptx-hd/ldac】って奴です。

ざっくりsbcが最低。aac/aptxがまぁまぁaptx-hdは現状最高レベルだが対応機種が
少なく、ldacは最高レベルかつ上位機種ならそこそこ採用されている。 というイメージを持ってる人が多いのではないでしょうか。

✅伝送方式【sbc/aac/aptx/aptx-hd/ldac】って何ぞ

Bluetoothの伝送形式。っていきなり書いてしまったのですが、多分わからない人にはチンプンカンプンでしょうから簡単に説明すると、これは『圧縮の方法』です。

Bluetoothは高速通信を想定したものではないので、データを圧縮して送っています。このルールが【sbc/aac/aptx/aptx-hd/ldac】です。基本的に書いた順に音質がいいと思って頂いて大丈夫。


✅まとめ:Bluetoothヘッドフォンへの移行で上位モデルを購入するのはコスパがいい

ここまでをまとめると、無線再生を念頭に置くのであれば、 DAP(スマホ)よりヘッドフォン側に投資するのがコスパがよさそうですね。

一時期Xperiaはカメラ性能とともに音質の良さを謳っていましたが、最近めっきり聞かないじゃないですか。それはソニーがLDACという高音質Bluetooth規格を策定し、Bluetooth再生に大きく舵を切ったことが関係していそうな気がします。

まぁ林檎のうどんと違ってまともなBTイヤホン/ヘッドフォンを発売してるだけ好きですよ。

✅おまけ:Bluetoothヘッドフォン側のアンプで有線でも高音質化は可能か

例えばしょっぱい中華製DAPでもヘッドフォン側のアンプを使えば高音質化できるのか。などと考えてみたのですが(いわゆるデジタル接続的な使い方)

大抵の無線ヘッドフォンは有線接続時、本体の電源がOFFになるために有線ヘッドホンと同様の動作となり、高音質化は基本的に望めないようです。残念。

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