健康行動理論/現場実践

2022/03/27

 



✅健康行動の予測モデル


KAPモデル、ヘルスビリーフモデル、計画的行動理論、トランスセオレティカルモデルなど

健康行動を予測、又は何が阻害する原因になっているかを予測するモデル。


-KAPモデル-


古典的な健康行動の予測モデル


Knowledge(知識)

Attitude(態度)

Practice(習慣)


行動を変化させるためには(健康行動を獲得するためには)

知識の獲得→態度の変化→習慣化  の3つがこの順で必要であるというモデル



-ヘルスビリーフモデル-


古典的なものその2。KAPモデルと類似、発展させたもので

人が健康によい行動を行う可能性を高める主な要因として

疾病の認知と利益と障害の変化の2つに大別し


疾病の認知(罹患性、重大性から脅威を認知)

行動の認知(利益と障害の評価:メリットとデメリットの比較)


この2点から評価を行う


-計画的行動理論-


行動の実行前に結果を考慮することで意思・行動が決定されるというモデル

上2つと比較して意思決定のプロセスを考慮している点で異なる。

信念

態度:行動への認識・評価(個人的価値観への合致)
+
規範:行動の社会的望ましさ
+
統制:行動の実行可能性の評価

意思

行動

態度、規範、統制が主観的評価であり
行動に移せない場合この3つのどれが引っかかっているのかを評価し得るのがポイント。

態度:誤解の払拭
規範:現在の社会的情勢の説明
統制:実行するための提言や制度



-トランスセオレティカルモデル-


対象者のステージ(準備がどの程度できているか)に対して適した支援を行うことで
行動を促すモデル。

無関心期:6ヶ月以内に行動を変える意思はない
関心期:6ヶ月以内に行動を変える意思がある
準備期:1ヶ月以内に行動を変える意思がある
実行期:行動を変えて6ヶ月未満
維持期:行動を変えて6ヶ月以上


それぞれの時期に対する対策は

無関心期:環境の再評価/感情に訴えかける経験の実感や提言
関心期:自己の再評価(変化前のネガティブイメージ/変化後のポジティブイメージの評価)
準備期:自己の開放/効力感・宣言(自信や『自分はできる』というイメージに対する支援)
実行期:行動の置換/強化子管理(タバコ→ガムへの置換/)
維持期:社会的支援/刺激の制御(周囲の協力/勧誘を断つ)


このようになる。

望ましい行動を如何に獲得するのか
または何が妨げになっているかを評価するためにこれらの健康モデルを利用する。


✅ストレス理論



ストレス:認知的評定理論、コーピング方略、ソーシャルサポート

-認知的評定理論-


阻害要因:企業・職場・個人
認知的評定(1次評定):肯定的展望(好機・挑戦) or 否定的展望(負担・脅威)
↓↑
認知的評定(2次評定):成功体験・対処可能 or 対処困難・対処不可
対処方略:問題解決・情動調整+社会支援
ストレス反応:低活気・疲労・イライラ・緊張・不安・抑うつ

1次評定で脅威・重大性について
2次評定で対処可能性について考慮する。

肯定的展望かつ対処可能であれば適応状態でストレスは生じないが
その他の状況ではストレスが生じうる。




-コーピング方略(対処方略)-


定義:負担を処理するための認知的・行動的努力

例:テスト勉強というストレスに対して大掃除を始める(ストレス回避)

必ずしも問題そのものに対する解決策になっている必要性はない。が。
飲酒や喫煙などは(ストレス反応の結果とされることが多いため)コーピングとはみなされないことが普通。




-ソーシャルサポート-


得られる支援をサポート源と支援内容の2点から評価する

サポート源


私的関係
→家族・親戚・恋人・友人

公的関係
→上司・同僚・部下
→知人・地域資源
→教師・専門家


支援内容


情緒的支援
→情動(愛情・心配)
→評価(共感・承認)

手段的支援
→道具(手助け・世話)
→情報(助言・示唆)

同じ支援でも誰からもらうかによって受ける効能が異なることがある。


✅社会関係


-ソーシャルマーケティング-


定義:対象集団の自発的な行動を促すプログラムの立案・実施・評価の過程

第1世代:Product-oriented
→いいもの(仕組み)を作ろう。

第2世代:Promotion-oriented
→販売促進(宣伝や広報)を重視しよう。

第3世代:Customer-oriented
→消費者の能力や認知、体験に着目しよう

いずれにしても目的は
『自発的な行動変容』を生じさせた上で
『新しい価値観』を定着させ
『社会普及』させること。


Point:対象者を細分化する


細分化し、その所属集団毎にアプローチを変化させる。細分化の方法は複数あるので例示

例:心理的要因による細分化

革新的採用者(Innovator:~3%)
早期採用者(Early Adopters:14%)
初期多数者(Early Majority:34%)
後期多数者(Late Majority:34%)
後期採用者(Later Adopters:15%)


-マーケティングミックス-


サービス提供者の視点と
サービス利用者側の視点を理解することで行動の採択に影響させる

提供者側の視点:4+2P

・Product:製品
・Proce:価格
・Place:流通
・Promotion:工夫
・Politics:制作
・Public Relations:周知

利用者側の視点:4C

・Customer Value:価値
・Cost:負担
・Convenience:利便
・Communication:接続

どれが行動採択のバリアになっているかを評価。

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