あまりスマートフォンに詳しくない人向けSoCの見方その③~今欲しいそのミッドレンジ端末のSoC性能は何年前の端末から手に入ったか

2018/11/01

☑イントロ


☑本題-今買おうとしてる端末の性能は何年前に手に入ったのか-


多分この記事にたどり着いた人、スナドラ660とか710とかKirin 659を搭載した端末が購入候補なんではないでしょうか。
しかしもう600シリーズだけで種類がいっぱい。中のCPUやGPUがあーだーこーだいわれてもどれがどのくらいの性能なのかわからない。

そんな感じでしょうから、Androidのハイエンドモデルに搭載されてきた800シリーズ基準でどの位置にいるかをAntutu総合スコアで比較した上で、
『大体何年前のハイエンドモデルと同じくらい』という評価をしてみようと思います。

まず基準になるハイエンドを前投稿から抜粋。
【】内に搭載しているXperiaを表記しています。というかXperiaに採用されたSnapdragon8xxシリーズを基準にします。Xperia好きなんです…

Snapdragon845【Xperia XZ2P~XZ3】25~29万 2018年春~
Snapdragon835【Xperia XZP~XZ1】18~20万 2017年春~
Snapdragon820【Xperia XP~XZs】13~16万 2016年春~
Snapdragon810【Xperia Z4~Z5P】8~11万 2015年春~
Snapdragon801【Xperia Z2~Z3】5~6万 2014年春~
Snapdragon800【Xperia Z1】5~6万 2013年春~


Snapdragon845【Xperia XZ2P~XZ3】25~29万
該当SoCなし。
Snapdragon835【Xperia XZP~XZ1】18~20万
Snapdragon 710 17万!
Snapdragon820【Xperia XP~XZs】13~16万
Snapdragon 670 14~15万
Snapdragon 660 13~14万
Helio P60 13万~
Kirin710 11~13万
Snapdragon 636 11~12万!
Snapdragon810【Xperia Z4~Z5P】8~11万
Snapdragon 653 9~10万
Snapdragon 652 9~10万
Snapdragon 650 9万
Snapdragon 632 8~9万
Snapdragon 630 8~9万
Kirin 659 8~9万
Snapdragon 626 7~8万
Snapdragon 625 7~8万
Kirin 658 7~8万
Snapdragon 450 7万
Snapdragon801【Xperia Z2~Z3】5~6万
Snapdragon800【Xperia Z1】5~6万


☑845,853~820間(2016年ハイエンド以上)

順番に性能を見ていきましょう。まずは835と820の間。Xiaomi Mi8 SE,OPPO R17 Proなんかを買おうとしている貴方が検討している端末は2018年冬時点で2年前のハイエンド機程度の性能です。

ここからは事実上のSnapdragon710の評価になります。
このSnapdragon710、総合スコアでこそ820を上回るようですが、GPU性能ではまだまだ敵いません。

パソコンに詳しい人なら
Corei7 6700k×GTX980とCorei5 8600k×GTX1050Tiみたいな関係だと思えばわかりやすい。
ゲームしようとか考えたときは820の方がまだ有利。
というかハイエンドSoCって(性能の基準が当時のハイエンドになるから)性能のバランスがいいんですよね。

ただしこのSnapdragon710、下で扱うSnapdragon660や670、その他のミッドレンジSoCと比較すれば全体のバランスはGPUよりです。CPUの性能も他ミドルレンジに劣らないため仮想敵にできるようなSoCはMediaTecやHisiliconからは出せておらず、やはりこの710がミッドレンジにおける頂点というのは間違いないでしょう。

【購入についての考察】
820が優秀なので積極的に買いたくない…と言いたいところなのですが、ミッドハイクラスということでSoC以外のところの進化を受けやすいため一番心を揺さぶってくるクラスです。
ぶっちゃけハイエンド並の仕上がりの端末になるので性能やSoCの型番に拘らず普通に端末に魅力を感じるかどうかで買いを決めていいと思います。
ノッチを受け入れられるなら素に近い操作性で710搭載、実売価格も3~4万円のNokia X7が個人的にオススメ。

☑820~810間(2015年ハイエンド以上)

次に820と810の間。


Snapdragon 670 14~15万
Snapdragon 660 13~14万
Helio P60 13万~
Kirin710 11~13万
Snapdragon 636 11~12万※Zenfoneはちょっと別

こいつらを搭載したスマートフォンを購入しようとしている方、具体的にはMi A2やBlackBerry KEY2,Xiaomi Redmi Note,ZenFone 5なんかを検討していると予想してますが、貴方が検討している端末は2018年冬時点で3年前のハイエンド機程度の性能です。

性能としてはSnapdragon670が頭1つ抜けていて660≓P60、Kirin710、Snapdragon636と続くイメージ。
なのですがZenfoneに搭載された636が『AI Boost』機能により激しく高いスコア(13~15万)を出しています。性能に拘るならこっちが凄い。636にもかかわらず660を上回っています。

kirinは710とSnapdragon710を想起させるネーミングをしている割りに670にも660にもなんならP60にも劣るくらいだと思います。ミドルクラス全体に言える特徴ですが、Antutu的にCPUスコアが高くGPU性能が低くなる傾向があります。各社ここを強化してきていますがミドルクラス同士で比べてもGPU性能はSnapdragon>Helio>Kirinで明確にHisilicon(HUAWEI)は劣ると見ていいでしょう。(kirinのスコアはMENとCPUで稼いでいる印象がでかい)

上に挙げた5つのSoCの中で810に完勝できるのは670だけでその他の機種は全てGPU性能で劣るのですが、そもそも810が発熱問題でベストパフォーマンスを出しにくい機種であることを考えるとどのSoCも810よりずっといい。と言って良いと思います。
個人的にはちょっと高いけど物理キーボードを備えたBlackBerry KEY2と素のAndroidとアップデートがあり2万円前後Mi A2が心を揺さぶってきますね。

この投稿書いてる人は年中Z5PとZ4Tab(snapdragon810搭載)の発熱に苦しんでいます…Z5Pは使ってないからいいけどZ4Tabは10インチAndroid防水薄型軽量タブレットという4年以上経った今でも完全上位互換が出てこない端末なので使い続けるしかないんです…


【購入についての考察】
個人的にこのあたりから型落ちハイエンドに走るという選択肢が消えます。SoCの発熱問題以外にもAndrodのバージョンが古くなってしまうので、すでに持っているならまだしも買うことはありません。
少なくとも今すぐ顕在化するような性能不足はなく、メーカーによってはこのクラスをミッドハイに位置づけておりハイエンド端末の機能の一部がそのまま使われているなどしていることもあり、ハイエンド端末のような全部のせはコスパが悪いけどこの機能だけは欲しいみたいな個人の希望に即した端末を探せる楽しさがあります。
トータルで(該当ハイエンドSoCの出来が悪いという消極的な理由にはなりますが)性能に納得いくのであれば型落ちハイエンドよりミドルレンジ優位なゾーンだと思います。

☑810~800(2014年ハイエンド以上)

最期に810と800の間。

Snapdragon 653 9~10万
Snapdragon 652 9~10万
Snapdragon 650 9万
Snapdragon 632 8~9万
Snapdragon 630 8~9万
Kirin 659 8~9万
Snapdragon 626 7~8万
Snapdragon 625 7~8万
Kirin 658 7~8万
Snapdragon 450 7万

残りのSnapdragonとKirinというラインナップ。ここを買う人はスマートフォンにそこまでの性能を求める人ではないでしょう。購入を検討しているのはhuawei P20liteとかが多いんじゃないかな。あとはトラディショナルなXperiaを求めてXperia XA2 Plusなんかを検討している人もいるかも。
Snapdragon65xがちょうどミッドレンジで、その下はミッドロー、エントリーに近いと考える方が幸せなスコアです。GPU性能が低くゲームにはまるで向きません。あとはミッドレンジの中でも旧型になりつつあるものも含まれており機能面でも不安が残ります。

【購入についての考察】
型落ちハイエンドだろうがミッドレンジだろうがこのレンジの性能の端末を積極的に選ぶ理由はないです。
個人的にAntutuスコア8万あたりがエントリーとミドルの境目になるかなぁと考えています。というか、そうしないと日本国内における新品製品のエントリークラスがほぼほぼSnapdragon430搭載端末だけになります(Zenfone MaxとかAQOUS sense liteとか)

値段見ればわかりますが、HUAWEIのP20liteとかは『エントリークラス』のスマホです。中華端末やなんかで糞低性能スペックで感覚が麻痺してない限り、この性能は日本国内において最低レベルであるハズなんです。

最近のスマートフォン市場がいくら成熟し、安物でもある程度の性能が担保されるようになったからといって、Snapgargon800(≓Antutu5~6万)よりマシって程度では正直厳しい。ブラウジングでも引っかかりを感じるでしょうしゲームは論外。というかこの辺がまだ使い物になるならズルトラ難民なんて生まれてないんです()

格安simで0円になっているなら選んでもいいです。


☑まとめ

全体通した印象として、Snapdragon636がまぁ優秀。型番だけでSoCを見てはいけない。
そして710は総合スコアで820を上回っているという予想以上のハイパフォーマンス。Helio P60も13万程度のスコアをたたき出すなど(総合値に限れば)Qualcommとかなりいい勝負をしている。

逆に思ったよりたいしたことないなというのはHUAWEIのKirinシリーズ。Kirin710でもSnapdragon660に届かず、Kirin659も比べてしまえば大した性能ではないことがわかります。
むしろこれはKirinがQualcommに似たナンバリングをして性能が高いように見せているのが上手くいっている証拠かもしれません(去年秋葉原のビックカメラでmate10Pro触っていた時Kirin970は900なので800のSD835より上です!って訳のわからん説明する店員がいたくらいですし)

前にもどこかで書いた気がするんですがミッドレンジのSoCの性能バランスは、ハイエンドを基準にするとCPUに寄りがちでGPUがおろそかになる傾向があります。
例えばCPUは最新ハイエンドの7割出るけどGPUは5割程度しかでない。みたいな感じ。Snapdragonを基準にすると特にKirinでこの傾向は顕著。逆に一時期GPU弱い弱い言われてたMediaTecはp60見る限りそこまでGPU弱くない感じ。
ただこれに関してはQualcommが優秀という見方をする方がいいっすね。QualcommがGPU性能で頭1つ抜けている限りハイエンドAndroid搭載端末のスタンダードはSnapdragonでしょう。


僕のように毎年端末は2台以上買います買いかえますガジェット買ったあまりが生活費ですみたいな人は好きなのいくらでも買ってりゃいいいんですけどね

スマートフォンの魅力はSoCだけで決まるものではなく、バッテリー含む端末筐体の消耗、OSのサポート期限なんかの問題もあるので、端末当たりの(SoCにかける)コストをやや下げて進化した機能を試すのもいいと思います。ただコストの下げすぎは良くないです笑

理想は最高に気に入ったの買って長く使うこと。ですけどね。

おしまい。

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