行動科学と健康政策
✅行動経済学とは
世の中にある限られた資源をいかに有効に活用していくかを研究することにより、人々がどうすれば幸せな生活をおくることができるようになるか
を考える学問。
・限られた資源
→時間とお金
経済人
→伝統的な軽税額の前提
経済的合理性のみに基づいて個人主義的に行動する、と想定した人間像
自分の利益のみを考え、その利益が最大化するように常に合理的な行動を取る存在
・行動経済学の考え方
人間の意思決定には、合理的な意思決定から系統的に逸脱する傾向(バイアス)が存在する
✅Sunk Cost
埋没費用、すでに消費し回収不能なコストのこと。
回収不可にも拘らずこのコストにとらわれて判断を誤ることがある。
✅Status quo bias
現状維持バイアス:たとえ有益であっても、知らないものや経験したことがないものを受け入れることに心理的な抵抗が生じ、現在の状況に固執してしまう傾向
人が意思決定をする時に強い影響を持つ心理傾向であり
現状から未知の状況に変化することを
『安定した現状がなくなってしまう損失』と認識する心理が影響している。
✅Present bias
現状志向バイアス(双曲割引):目の前にある事柄を課題に評価してしまう心理傾向のこと
すぐ入る報酬より将来得られる報酬の見積もりを低くしてしまう心理傾向を行動経済学で『双曲割引(hyperbolic discounting)』と呼ぶ
現在バイアスが強いと、重要な業務を就業時間内では着手せずに先延ばしにしてしまう。
先延ばしにした結果長時間労働や深夜残業をして帳尻合わせをするといった、長期的に見た時に合理的でない対応をするようになってしまう。
✅ヒューリスティック
利用可能性ヒューリスティック:人間が意思決定を行う時に、よく見るものや印象に残りやすいもの、思い出しやすいものを基準に選択を行う思考方法のこと
論理的な思考が必要な事柄に対しては『アルゴリズム』が必要だが
利用可能性ヒューリスティックによる誤解が生じている場合は
大規模なデータなどを用いず、可能な限りその当人の近くの情報を用いると効果的(利用可能性を広げる)
代表性ヒューリスティック:特定カテゴリーの中で代表的、典型的であると思われる事項の確率を過大評価する思考方法のこと
例)スポーツを行っている身長の高い人はバスケorバレーをやっていると考える
メディアなどで多く目にするものを規準に選択を行う。
アンカリング効果:当初提示されたものを規準に物事を考えてしまうこと
例)100万円から20万円引きを提示された場合と、最初から80万円を提示された場合前者をお得に感じる
✅Prospect theory
プロスペクト理論:人の判断は、不確実性がある判断のとき、条件や状況によって、合理的な価値判断ができない場合がある
-プロスペクト理論の例-
確実性効果:期待値が同等であっても、実現可能性が高いものを高く見積もる傾向にある。
確率荷重関数:40%程度を境に、低い確率を高く、高い確率を低く見積もる傾向にある。
フレーミング効果:損失回避や確実性効果を背景にして、同じ内容であっても表現方法が異なるだけで人々の意思決定が異なること。
例:この薬を飲むと92%の方が痩せます or この薬を飲んでも8%の人が痩せません
→前者の方が優秀に聞こえる
✅Social Preferences
社会的選考
行動経済学上、自分自身の物的・金銭的選考に加えて他者の物的・金銭的利得への関心を示す選考を人々が持つと想定される。
・利他性
→他人の満足度を高めることが自分の満足度を高める
純正な利他性に加えて、自分が他人のためにする行動や寄付額そのものから幸福感を感じる場合がある(ウォームグロー)
✅Bounded rationality
限定合理性
意思決定に思考費用(考えることそのものがコスト)がかかることから直感的に判断する子男が多いため、系統的に合理的な意思決定に比べて偏った意思決定を行ってしまうこと。
例
・サンクコスト
・選択過剰負荷
・情報過剰負荷
・平均への回帰
・メンタルアカウンティング
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