【実機】SIE nasne 1TB CUHJ-15004

2025/07/25



✅️2027年に『終わる』SIE製nasne


nasneといえば、もともとはSONY系のSIEから販売されていましたが、SIE製のNasneは2027年に一部機能(テレビ録画機)の終了が発表されています。しかし、その分フリマサイト等でお買い得に購入できるようになっているガジェットでもあり、購入しました。

(今回はジャンクではなく、通常の中古を購入。値下がりしすぎててジャンク買っても値段的な旨味がほとんどない)


1:良好なコストパフォーマンス

先日メルカリを徘徊していたところ、1TBのHDDを内蔵したSIE製nasneが、送料込みでたったの5,000円で売られているのを発見。

今の時代、ただのUSB外付けHDDですら1TBモデルなら6,000円前後はします(2.5インチHDDで新品の場合)。

ましてや、ネットワークに接続して複数のデバイスからアクセスできるNAS(Network Attached Storage)となると、HDD抜きのケース(NASキット)だけでも2万円近く、1TBのHDDが最初から入っているエントリーモデルでも1.5万円は下りません。
(出典: 価格.com https://kakaku.com/pc/nas/)

旧型とはいえNasneならネットワーク機能がついて、1TBのストレージも内蔵して、5,000円。HDDが酷使されているとしても、安い。以前Amazonで地雷っぽい整備品HDDを買った時もコスパに驚きましたが、今回はそれを遥かに上回るコスパでしたね。


2:「NAS機能」は2027年以降も使える


SIEが2027年7月末に終了すると告知しているのは、あくまでPS5やスマホアプリ「torne」からのアクセスや、テレビ番組の録画・視聴といった「テレビ関連機能」のみ。

(出典: nasne(ナスネ)™サポート https://www.playstation.com/ja-jp/support/hardware/nasne/)
一方で、ファイルサーバー(NAS)としての機能については、サードパーティ製のアプリなどを使えば引き続き利用可能であることが示唆されています。これは中古活用を念頭に置く場合、この情報は心強い。


3:「割り切った活用」でデメリットはゼロになる

もともとテレビ録画機能がおまけで、本質は「格安のネットワーク対応ストレージ」だったと捉えれば、テレビ機能が使えなくなるという最大のデメリットは最初から存在しないのと同じこと。
目的を「NAS」の一つに絞ってしまえば、むしろ余計な機能がなくてシンプル。まさに、自宅にファイルサーバーを立てるという目的において、これほど割り切りやすく、魅力的な選択肢はないでしょう。


✅️ファーストインプレ&バッファロー製Nasneと比較





① デザイン:天面のPlayStationロゴ


何と言ってもこれでしょう。天面に鎮座する、おなじみのPlayStationファミリーのロゴ。バッファロー製にはないのでSIE製だけの特権です。PS3やPS4と並べた時の統一感は、やはりこちらに軍配が上がりますね。

② カードスロット:フルサイズB-CAS


フルサイズのB-CASカードスロット。バッファロー製がminiB-CASカードを採用しているのとは対照的です。NASとして使う上では全く関係のない部分ですが、時代の産物として感慨深いものがあります。


③ ACアダプター:ケーブル一体型


SIE製の方はケーブルの途中にACアダプターがあるタイプ。BUFFALO製のACアダプターは、メガネケーブルなどを必要としない、コンセント直結のケーブル一体型。

コンセント側に大きな構造があると隣のコンセントと干渉するので、これは一長一短ですね。

④ ポート配置:上下逆転


LANポートやアンテナ端子の配置が、バッファロー製とは上下逆になっています。だからどうした、という話ではありますが、買い替えを検討している人は、ケーブルの取り回しが少し変わる可能性があることだけ、頭の片隅に置いておくといいかもしれません。

⑤ 冷却機構:BUFFALO製の方が改善されている

SIE製

BUFFALO製

換気用スロット。BUFFALO製のみの仕様で、SIE製nasneにはありません。

調べてみると、後発のBUFFALO製のNasneには内部に小さいファンがあるみたいです。 BUFFALO製のナスネを使っていてファンの音を感じたことはないのですが…ファンレスにこだわりたい場合は、SIE製も悪くないのかもしれません。


✅️SIE製Nasne:性能の限界


1TBのネットワークストレージが5000円台で手に入る、抜群のコストパフォーマンスを発揮できるSIE製nasneですが、NASとして決して万能ではありません。

その性能の限界を正しく理解し、「できること」と「できないこと」を割り切ることが、末永く付き合っていくために必要になってきます。


ボトルネックはネットワーク速度(100Mbps)

最大のボトルネックは、ネットワークポートの速度です。SIE製nasneが対応するのは「100BASE-TX」、理論値で100Mbps

一方、現行のバッファロー製は「1000BASE-T」、理論値1Gbps(1000Mbps)と10倍の差があります。


理論値100Mbpsといっても、実効速度はだいたい80Mbps前後、バイトに換算すると約10MB/sが出れば良い方です。これがどの程度の速度か、具体的なファイル転送でシミュレーションしてみましょう。


・4GBの動画ファイル1つ → 約400秒(約6分40秒)
・5MBの写真100枚(合計500MB) → 約50秒

このように、数GB単位の大きなファイルを頻繁にやり取りするには、正直かなり待たされます。しかし、スマホで撮った写真や、仕事のドキュメントファイルをバックアップするような用途なら、十分実用的な速度だと言えるのではないでしょうか。


この速度で「できること」「できないこと」

上記のシミュレーションから、このnasneの最適な使い方が見えてきます。

◎ 適する用途

スマホで撮った写真や動画の自動バックアップ先、PCの重要ドキュメントの共有フォルダ、iTunesライブラリの置き場所といった、比較的小さなファイルの保存・共有には良さそうです。ファンレスなので音楽サーバーにしても静かでいいですね。

△ 不向きな用途

高画質な4K動画などをnasneに保存し、PCやテレビでストリーミング再生する、といった用途には向きません。転送速度が足りず、再生がカクつく可能性が高いです。また、動画編集の作業用ドライブのように、頻繁に大容量ファイルを読み書きする使い方も厳しいでしょう。


SSDへの換装はコストに見合わない

「中のHDDを高速なSSDに交換すれば速くなるのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、上記の理由からそれはほとんど意味がありません。

データの通り道であるネットワークが100Mbps(約10MB/s)で頭打ちになっているため、いくらストレージ(SSD)側が500MB/sの速度で読み書きできても、出口が渋滞していては宝の持ち腐れ。コストをかけてSSDに換装しても、体感速度はほとんど変わらないでしょう。


✅️まとめ

SIE製nasneは、いくつかの注意点と割り切りが必要なものの…

問題点を理解した上で付き合えるなら、NAS初心者にとってこれほどコストパフォーマンスに優れた選択肢は他にありません。

メリットは、やはり5,000円前後で手に入る圧倒的な低コスト。そして設置の手軽さと、ファンレス設計による完全な静音性です。

一方のデメリットは、Windowsで使うにはSMBv1を有効化するという一手間と、それに伴うセキュリティへの配慮が必須であること(※後日別記事で記載)。

そして、転送速度に限界があるため、大容量ファイルのやり取りには向かないことです。

以上の点を踏まえて、もしあなたが「とにかく安く家庭内NASを始めてみたい」「スマホの写真や動画のバックアップ先に困っている」「本格的なNASキットは設定も価格もハードルが高い…」と感じているNAS初心者なら、中古のSIE製nasneは最高の入門機ですし、自分のように容量不足の人間が当面の容量を増やすにも向きます。


外付けHDDもつけられるしね。


それでは。

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