SIE製nasne(CUHJ-15004)で「ファイル共有機能を起動中です(0%)」で止まる問題の解決+SMBv1.0の設定
✅️NasneをNASとしてセットアップしようとした際に直面した問題
・PCのブラウザで「nasne HOME」(設定画面)を開くと、「メディアサーバー設定」のステータスが「データベース更新中です。」のまま進まない。
・PCのエクスプローラーやスマートフォンのファイル管理アプリでネットワーク上を探しても、nasneが見当たらない。
・nasneが見つかっても、アクセスしようとするとエラーが発生する。
✅️問題①:データベース更新の失敗
問題:初期化後にデータベースが正常に生成されない
nasne初期化・起動時に自身のファイル情報をまとめた「データベース」という目次ファイルを正常に作成できずにいる状態となっています。
一見データベースの更新を待てば良いだけに見えますが、どれだけ待っても0%のままで、再起動や初期化しても、このデータベース更新は終わりません。
※BUFFALO版のNasneなら、このように更新が進みます。
【解決策】外付けストレージを接続し、データベースを強制的に再構築する
この問題については先駆者の皆様によって解決方法がそこらでみつかりました。
USB接続のストレージをnasneに接続し、「nasne HOME」から登録する。これによりデータベースの再構築が強制的に実行され、正常な状態に復旧するようです。
適当な外付けHDDを接続し、『ハードディスク管理』から『登録』を選びます。
登録が進み…
外付けHDDが使えるようになりました。
と同時に、先程のデータベース更新のステータスが更新完了となり、接続できるようになります。
この作業は一度きりで問題ありません。データベースが正常に作成されれば、使用した外付けストレージは取り外してしまって問題ありません。
✅️問題②:Windows 10/11で表示されない(SMB 1.0)
Windows PCからアクセスしようとしても、失敗する。
しかしAndroidのファイラーからはアクセスできる。
これは「SMB 1.0」によるものでした。
Q.なぜWindowsはSIE製nasneに接続できないのか?(Androidはできたのか)
SIE製nasneが採用しているファイル共有の通信規格「SMB 1.0」が古く、現在のWindowsではセキュリティ上の理由から標準で無効化されているため、このような状況が起きました。
参考:SMBとは?
SMB(Server Message Block)は、Windowsネットワークでファイルやプリンターを共有するために使われるプロトコル(通信規約)です。nasneとPCがファイル情報をやり取りする際にも、このSMBが使われています。しかし、SIE製nasneが対応しているのは1980年代に作られた旧式の「SMB バージョン1.0」です。一方、現代のWindowsは、より安全で高機能な「SMB 2.0/3.0」を標準としており、古いSMB 1.0は脆弱性が指摘されているため、初期設定では無効化されているのです。
【重要】SMB 1.0のセキュリティリスクと自己責任
単純に「では、有効にすれば良いのでは?」と考えるのはリスキーです。
MicrosoftがSMB 1.0を無効化した理由として、2017年に世界中で猛威を振るったランサムウェア『WannaCry』が挙げられます。このウイルスは、SMB 1.0に存在した深刻な脆弱性を悪用して、ネットワーク内のPCに次々と感染を拡大させました。
(出典: JPCERT/CC https://www.jpcert.or.jp/at/2017/at170020.html)
この事件を受け、MicrosoftはWindows 10 (バージョン1709)以降、SMB 1.0を標準で無効にすることになった背景があります。
(出典: Microsoft Learn https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/storage/file-server/troubleshoot/stop-using-smb1)
このようなリスクがあるため、『自己責任』で設定を行う必要があります。
【解決策】WindowsのSMB 1.0機能を有効化する(自己責任)
Windowsに古いプロトコルである「SMB 1.0」を有効化させます。
「Windowsの機能の有効化または無効化」を開きます。
一覧から「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」を探し、チェックボックスをオンにします。
これでSIE製Nasneにも、エクスプローラーからアクセスできるようになります。
✅️【TIPS】nasneで使う外付けHDDの選び方と注意点
無事にファイルサーバーとして使えるようになったnasneですが、内蔵HDDの容量(多くは1TB)だけでは心許ないという方も多いでしょう。外付けHDDを増設する際の注意点をいくつか紹介します。
容量は2TBの壁がある
残念ながら、SIE製nasneが公式に認識できる外付けHDDの最大容量は2TBまでです。
3TBや4TBのHDDを接続しても、2TB分しか使用できないため注意してください。
バスパワーHDDは使える?
ACアダプターが不要でUSBケーブルのみで動作する「バスパワー駆動」のポータブルHDDが使えるかですが、僕の環境では2.5インチのポータブルHDD(WD製)が問題なく動作しました。
ただし、これはnasneのUSBポートの給電能力に依存するため、消費電力の大きい(厚めの)HDDでは電力不足で動作しない可能性があります。
✅️まとめ
無事に5000円で1TBのNas増強(余っていた外付けHDDも含めれば3TB)に成功しました。
今回の対応は比較的よくある様子なので、他の人の助けになれば幸いです。
ただし、くれぐれもSMB 1.0の有効化は、リスクを十分に理解した上で実行してください。
繰り返しになりますが、Microsoftがわざわざ無効にしているSMBv1を有効にする行為は、相応のセキュリティリスクを伴います。
リスク軽減策として、「信頼できる家庭内ネットワークでのみ使用を限定する」ことは最低限やっておくべきと思います。
それでは。
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